ホラー映画好きのトシ先生が、独断と偏見で診断と鑑別をした「ホラー映画で学ぶ東洋医学」シリーズ。今回は映画「ミザリー」から、「ミザリーの大ファン」アニーさんです。
映画「ミザリー」は、小説家のミザリーがその狂信的ファンの元看護士のアニーに・・・というストーリーです(私はミザリーが怖い女の人と勘違いしていました・・・)。
では、独断と偏見で「アニー」さんの診断、鑑別していきましょう。
ホラーで学ぶ東洋医学シリーズで、初めての人間の診断が出来るので、今回は東洋医学の診断法について説明していきましょう。
① 脈診(脉状)
両手首の動脈の拍動を診ます。
病的脉状として「浮」「沈」「遅」「数」「虚」「実」他に「滑」「弦」「緊」などがありますが、その時の身体の具合、治療をしながら効果の確認としても脉状は診ていきます。
② 腹診
お腹の筋肉の緊張や、お臍の動脈の拍動、ツボを押した時の圧痛や硬さなどを確認します。
③ 舌診
舌全体の色や舌苔の色、舌の形や、大きさを診ます。
他にも問診でも身体の状態を教えてもらいます。
西洋医学と違い、採血などは行ないませんので、東洋医学は来院時にお話を聞き、脈、お腹、舌を診て治療方法を組み立てていきます。
病気を診て = 薬の処方
ではなく
人を診て = 鍼灸治療
なので、1人1人治療が変わるんです。
元看護士のアニーさん、主人公を事故から救い、甲斐甲斐しくお世話をしてくれます。ですが、ある事がきっかけで激しく怒りだし、とても怖く変貌していきます。
そう、アニーさんは「双極性障害」と言われています。
この「双極性障害」は東洋医学で「気」の病と言われていて、
「気」が不足すれば、全身の倦怠感、無力症、内臓下垂
「気」が停滞すれば、不安感、イライラ
「気」が上逆すれば、動悸、眩暈
優しいかと思いきや、あることで不安感を覚え、イライラする、アニーさんは「気滞」がありそうです。
特に、怒りに関係する「肝気鬱血」さらに倍プッシュで「肝火上炎」まで起こしてそうですね。
本来の看護師としての優しさが、精神の「炎」をコントロール出来てないだけかもしれませんね。
肝気の治療や、自律神経を抑えるのも良いですが、適度に身体を動かして「気」を巡らせるのも良いですね。
ヨガも臍下丹田(下腹部)に「気」を溜めて、呼吸で「気」を巡らせる効果があります。
双極性障害では、日によって、起こった出来事によって身体に現れる反応が変わります。改善するのは大変そうですが、鍼灸治療で身体や心のケアをさせて頂きたいですね。