めまい・不眠・冷え・だるさ。“検査では異常なし”で片づけられた不調にこそ、鍼灸

「なんでもないって言われたけど、なんでもなくないんだけどな」

初診の問診で、こんな言葉を聞くことがよくあります。
めまい、不眠、冷え、だるさ。
日によって出たり引いたりするこの不調を、本人は確かに“感じて”いるのに、病院では「異常なし」。

検査値に表れない。画像にも映らない。
だから、異常がないことになってしまう。
――でも、日常生活に支障が出るほどツライわけです。

「ただの疲れですね」「自律神経の乱れかもしれませんね」
それで終わってしまった時の、あのやるせなさ。
頭で納得しても、カラダは苦しいまま。

鍼灸の世界では、こういった“未病(みびょう)”の状態こそ、最も大事に捉えます。
病気になる一歩手前。
けれど、本人にとっては十分すぎるほどの不快感。
東洋医学では、こういう「まだ病気と診断されない不調」を、丁寧に観察します。

たとえば、舌の色や形、脈の力、肌の乾き方、睡眠の質、感情の起伏。
細やかなサインの一つひとつに、今の“からだの中の状態”が映し出されている。
だから、病名がついていなくても、処置はできる。
それが、鍼灸という療法の強みです。


実際、当院にいらっしゃる方の中にも、「ただの不調」から「深い疲労」へと進んでしまい、日常生活にも支障が出ていたケースが何件もあります。

でも、原因が分からず、誰にも相談できず、長く我慢していた。
そんな方が、鍼やお灸で少しずつ楽になっていく過程で、
「あ、自分はちゃんと“感じて”よかったんだ」
と、ホッとしたような表情になるのを、私は何度も見てきました。


あなたのその“なんとなくの不調”、
じつは、ちゃんと意味があります。
検査で見つからないだけかもしれません。

だからこそ、「まだ病気じゃないから」と見過ごさないでほしいんです。
「異常なし」と言われた不調にこそ、鍼灸を。
それが、あなた自身の声に、ちゃんと耳を傾けるということなのかもしれません。

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