ストレス 緊張 喘息の美々子ちゃん

ホラー映画好きのトシ先生が、独断と偏見で診断と鑑別をした「ホラー映画で学ぶ東洋医学」シリーズ。今回で第7回。(今回は映画のネタバレも少しだけ含みます。ま、分かったとしても、面白い映画だと個人的には思います。)今回はキャラより音にビックリ、『着信アリ』から、着信先に現れる「水沼美々子」ちゃんです。

今回は「水沼美々子」ちゃんを独断と偏見で診断、鑑別していきます。

水沼美々子ちゃん(小学生?)は、無差別に人を殺める幽霊です。

詳しい話は割愛しますが、彼女は生きている時、わざと妹をケガさせたりして傷つけていました。そしてその後、妹に飴をあげていました。泣いちゃうので。

何故、そんなことを?

この映画は、ジャパニーズホラーでも私はお気に入りの作品です。私が思うに、この作品はホラーですがメインテーマは「愛」の気がします。(1作目は)

妹に嫉妬して、母の愛情を一心に受けたい「美々子」ちゃん。傷ついた妹を助ける良いお姉ちゃんでいる事で、母親の関心を引こうと頑張ります。

傷ついた妹に飴をあげて、病院にも連れて行ってあげます。彼女は「母の愛情」に飢えていて、代理ミュンヒハウゼン症候群を患っています。

小児喘息(これが死亡原因)もあり、ストレスと緊張で発作が起き、「母の愛」が一番の薬で心の安定を図ります。しかし、我々は治療家です。母の愛も大切ですが、出来ることはないか。何かお手伝いは出来はしまいか。

うん、小児鍼で出来ることはないか診ていきましょう。

ストレスと緊張、喘息症状なので、自律神経の乱れと扁桃の炎症を疑い、腹部の張り、肩の張り、脊柱起立筋のこわばりや痛みなどを優しく確認しましょう。

首周りにある「扁桃」の緊張や腫れも確認します。

「美々子」ちゃんは小学生です。最初は緊張しやすそうなので、低刺激の刺さない鍼の小児鍼からやってゆきましょうか。効果が弱かったら、刺すけれど細い鍼を使うのも良いかもしれません。

子供の治療は継続的、さらに親の協力が大切です。

「美々子」ちゃんは「愛情」に飢えているので、お母さんが毎日治療すれば必ず良くなったはずです。

小児鍼はスプーンなどで代用することがあります。当院では、スプーンを使った方法をお母さんがお家で出来るように、お母さんに教えています(。コミュニケーションをとりながらが一番の特効薬です。

映画では、被害者はみんな飴が口に入っています。妹と同じように慰めているんですね。幽霊なのでやり過ぎてしまってます・・

代理ミュンヒハウゼン症候群は、実際にある疾患で、大人も患う病気です。他者を傷つけてでも注目を集めたい欲求を持ち、さらに時としてやり過ぎてしまうそうです。

「美々子」ちゃんのような存在は、決して映画だけの話ではないんですね。

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